環境適応のメカニズムに迫る――。暗闇で1500世代に渡って育てられている「暗黒バエ」

1954年から京都大学で継代飼育されているショウジョウバエがいる。

実に1500世代、60年以上に渡って継代飼育されてきた「暗黒バエ」。

この暗黒バエはなんと1500世代にわたって、暗闇で飼育され続けているショウジョウバエなのだ。

暗闇で継代されることによって、ショウジョウバエにどんな変化が起きるのかという環境適応のメカニズムを長い月日をかけて研究することが目的だ。

 

京都大学にて1500世代におよぶ暗黒バエ

 

京都大学は、暗黒バエの全ゲノムを解析した結果、野生型のハエと比べて5%の変異があることを発表した。

チャールズ・ダーウィンの「自然選択」という環境に適応するメカニズムはいまだに多くの謎が残されている。

 

1500世代(人間の1世代25年とすると、1500×25で3万7500年におよぶ)にわたって継代された暗黒バエだが、目がなくなるといった外見に大きな変化が見られることはなく、野生型のハエと大差はない。

体表にある感覚毛が野生型のハエよりも少し長いという特徴くらいだ。

これに関しては、変化に達するほど世代を経ていないという可能性がある。一方で、暗闇という環境はそこまで変異を生じさせる要素ではないのかもしれない。

だが、暗黒バエは、暗所で野生型のハエよりも優位に子孫を残すことから暗闇に適応していることが分かっている。さらに視覚に頼らない分、感覚能力、嗅覚が野生型のハエと比べて高くなっている。

対して、概日リズム(ようは体内時計)は変わらず、光に反応して寄る習性には変わりはなかった。

そして、暗黒バエの全ゲノム配列を解析したところ、約20万の変異が発見された。これは1500世代もの間で約5%の変異が暗黒バエの1500世代もの間で選択されたことが明らかになったということだ。

 

参考:「暗黒バエ」の暗闇適応に関わるゲノム配列の解析 -ゲノムの視点から環境適応のメカニズムに迫る- 京都大学

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巴瀬 春哉(ともせ しゅんや) 文芸とサブカルチャーが好き。 宮城県生まれ東京在住の22歳。 本には詳しくないが、本が好き。おもに映画、漫画、ゲーム、小説のことをブログに書いている。 ご連絡はお問い合わせからお願いします。